家庭医・病院総合医教育研究会「小児のpolypharmacy」と題して、事例報告をしてきました。高齢者のポリファーマシーはよく取り上げられますが、小児のポリファーマシーについては国内では報告がほとんどないようです。海外の報告をいくつか紹介しました。
ドイツでの一般青少年を対象とした横断研究(聞き取り調査)では、サプリメントや外用薬を含めて4種以上の薬剤を使用している人の副作用発現率は7.2%。14人に1人に副作用と思われる何らかの症状が出ていることがわかりました。薬が多くなればなるほど副作用が増えるのは、どの年代の調査でも同じ傾向です。
小児の外来患者については、5剤以上の薬剤を使用しているのは米国で0.9%、スウェーデンでも0.5-0.8%という報告があります。日本での使われ方に比べて、かなり少ない印象です。
日本のポリファーマシーについては、まずは実態調査が必要でしょう。また、アクセスがよい日本の医療環境下で、薬がどんどん増えていく構造上の問題について、よく考えていくべきかもしれません。
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